東日本大震災で大きな被害を出した岩手県や、宮城県沿岸部の災害拠点病院で働く医師や看護師など病院職員用の食料が不足していることが14日、分かった。ようやくつながった病院から県の担当部局への電話で「被災者優先なのは百も承知だが、このままでは救援活動に支障が出る」との悲痛な声が相次いで伝えられたという。
岩手県の県立病院で働く職員は計約4800人。震災を逃れた職員の多くが、勤務地で医療活動に当たっている。県の災害対策本部には「市町村役場には食料が届いているのに、われわれのところに回ってこない」といった声が寄せられた。
同対策本部は「最も被害がひどい沿岸部の病院とは今もほとんど連絡が取れない。状況はより深刻なはずだ」として、こうした病院向けに救援物資の新たな輸送方法を検討中だ。同様の訴えは宮城県にも寄せられているという。
原子力発電所を抱える福島県では、爆発事故で避難してくる被災者への対応で精いっぱいで、医療従事者の状況まで配慮できないという。担当者は「自己責任で調達してもらうようにしているが、要望があればできるだけ対応していきたい」と話した。
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