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NHKクローズアップ現代
  6月21日放送のクローズアップ現代で医療費の高騰と後発薬利用促進、頻回受診者の受診抑制などが取り上げられていました。

http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=3060

 当クリニックではリハビリを行っていないため月に20回という通院の方はいらっしゃいませんが、少々驚きました。医療費のことだけでなく通院の手間や時間を考えると患者さん自身にも相当の負担がありますね。患者さんの痛みや不安などを考慮すると、それらを軽減させる方法を示さずに一方的にNoというのもどうかと複雑な気持ちになりました。

 話題は変わりますが…後発薬促進が叫ばれていますが薬価の高さが医療費を高騰させている一因であることは間違いないと思います。

 処方の総量の観点から見ますと、昔ほど大量の薬を処方するケースは減ってきているのではないでしょうか。保険の面でも多種の処方に対しては処方箋料や薬剤費が減額されるなど抑制の一定効果を出しているものもあります。但し、高齢者ほど多くの病気を抱え薬を減らしたいけれども減らせないケースもあり、薬剤費が減額されることで逆ザヤ(赤字)になってしまい泣くこともあります。

 薬価の観点から見ますと、「とにかく高いものが増えた」の一言に尽きます。10年くらい前までは1錠200円くらいすると高いと感じていましたが、最近では毎日内服する薬でも1日薬価が400円以上するものがかなり増えてきました。もちろん抗がん剤のような特殊なものではなく一般的なものです。例えば認知症の薬は新しいものも含め1日薬価が400円以上になります。1日400円として30日内服すると12000円ですね。認知症の薬を内服している高齢者は決して少なくはありません。
 また成分が同じものでも適応が違うだけで薬価が跳ね上がったものまであります。例えばゾニサミドという成分の薬です。元々はてんかんの薬として一般的に使用されていましたが、新たにパーキンソン病の適応で2009年に含有量を変えて発売されました。元々の薬(A)は100mgの含有量で40円弱でしたが、新しい薬(B)は25mgの含有量で1100円弱という薬価がつきました。実に含有量で計算すると112.7倍という薬価です。

A薬 100mg 38.5円
B薬  25mg 1084.9円

新たな成分ではなく、しかも含有量を下げても薬価は112倍に跳ね上がるっていったいどうなっているのでしょうか?医療費を下げるのであれば後発薬促進よりも先発薬の薬価を下げる方が現実的ではないでしょうか。
 では薬価は誰が決めているのでしょうか?もちろん医師会ではありません。製薬会社?表向きでは違います。薬価を決定しているのは国です。国は自分たちで高額な薬価をつけておきながら薬価の安い後発薬を推奨するという大変矛盾に満ちたことをしています。また同系統の薬に関しては先行した薬よりも必ず薬価を上げて来ます。一般の電化製品などでは後から出たものは機能が良くて安いということが普通ですが薬では何故だか異なります。おそらく「大人の理由」があるのでしょう(苦笑)。

 国やマスコミは医療費高騰を医師や患者さんの責任としたいようですが、スケープゴートとして扱われているような気がします。国やマスコミは製薬会社などの企業を敵に回すことを避け、責任転嫁しやすい所・搾取しやすい所を狙って攻撃しているように感じます。国やマスコミの報道を鵜呑みにするのではなく自身で情報を集め考えることが大切ではないかと思います。
author:たかち, category:-, 14:44
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