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イレッサ判決(大阪地裁)
 昨日、大阪地裁でイレッサ訴訟の判決が出ました。新聞情報ですが、判決の根拠などあまりにもお粗末な印象で大変がっかりしました。

 今回問題となっているのは副作用である間質性肺炎の記載方法(場所)のような印象です。もともと薬事情報(薬の説明書)には副作用として間質性肺炎が記載されていたのですが、その記載が2ページ目に書いてあることが問題で1ページ目に載せるべきであったとのコメントでした(朝日新聞の記事より)。中日新聞の記事では下痢の副作用より後ろに記載されていることが不適切とのこと。これによりPL法違反だとの理由です。

 確かに副作用の中でも致死的なものの扱いは当初不十分だったと思いますが、6000万円もの賠償金を支払うようなものに相当するか理解に苦しみます。

 もともとイレッサは新薬であり、副作用情報が最初から十分に集まっていないことは承知の上で認可されたものではないでしょうか?認可が遅れればドラッグラグだと責められ、新薬だと副作用情報が不十分と責められ…結局はどうやっても責められるのでしょうか?

 今回の経緯ですが2007年7月に販売され使用されるようになったところ、間質性肺炎が問題となったため同年10月に緊急安全情報が出されました。実際に治療開始しても間質性肺炎が出現するのに一定の時間がかかります。それらの報告を集め副作用と認定し緊急安全情報を出すまでの時間を考えると3カ月というのはかなり早い対応であったと考えます。

 薬の作用は本来さまざまあるのですが、一部の人間に都合のいいものを主作用とし、不都合なものを副作用と呼ぶため、副作用の全くないものはありません。昔、疑似薬の代表として言われた「うどん粉(小麦粉)」にもアレルギーという副作用があります。抗がん剤のターゲットは悪性化しているとはいえ細胞自体は人の細胞です。通常の薬以上に強烈な副作用が出るのが当然と考えた方がよいと思います。

 今回のような判決がまかり通れば今後の抗がん剤販売に大きな影響を与えることは必須と考えます。がん治療は全て個人の責任で、生命保険契約の時のような膨大な副作用情報の冊子を渡されサインさせられる可能性もあるかと思います。

 今回の判決をみて思ったことですが、六法全書の表紙に大きく「裁判官は冤罪をつくり、無実の人を死刑に追いやることがあります」と記載するべきでは…と思ってしまいました。(これもPL法?)
author:たかち, category:-, 08:33
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